貫入と泡が作り出した光の色「青磁」
産地を作るにはあまりにも難しい焼物でした。唯一佐賀藩にある染付と青磁を組み合わせた鍋島青磁があります。
古代中国 12世紀ごろから始まる。本来の形は宗教的な儀式に使われた青銅器をかたどったものでした。その色は「玉(ぎょく)」つまり翡翠(ヒスイ)を模したと言われる。ヒスイは高価で財の象徴でした。古くはその色をもとめ、現代では青く「雨上がりの空の色」をもとめています。青磁は身代を潰すといわれるほど難しい色でその色は釉薬や粘土に含まれている酸化第二鉄が高温で還元焼成されることで酸化第一鉄に変化して発色します。(酸化クロムの還元で発色するものもあります。)現代では石灰バリウムに珪酸鉄を着色として入れ青を出しています。本来は厚がけの灰釉である。また青磁の色に深みを出しているのが大小様々な泡で釉中に残ったこの泡が光によって乱反射し柔らかな色調を生んでいる。 (伝統と産地のやきものを東京で学ぶ手つくりの陶芸作品のつくりかた)
青磁には貫入がありこの貫入は窯の中から出してから表面に入ります。窯から出してしばらくは涼しげなガラスの割れる音が聞こえてきます。まるで器が生きているようで初めて聞くと感動です。この貫入に墨汁を入れる技法があり窯から出して墨汁に漬け黒い貫入となりその後に出来る貫入は白く見えます。これを二重貫入といいます。(師楽トップページはこちらから)