『 青磁 』手作り作品の作り方

青磁~光の中にある 青

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貫入と泡が作り出した光の色「青磁」

産地を作るにはあまりにも難しい焼物でした。唯一佐賀藩にある染付と青磁を組み合わせた鍋島青磁があります。

 

古代中国 12世紀ごろから始まる。本来の形は宗教的な儀式に使われた青銅器をかたどったものでした。その色は「玉(ぎょく)」つまり翡翠(ヒスイ)を模したと言われる。ヒスイは高価で財の象徴でした。古くはその色をもとめ、現代では青く「雨上がりの空の色」をもとめています。青磁は身代を潰すといわれるほど難しい色でその色は釉薬や粘土に含まれている酸化第二鉄が高温で還元焼成されることで酸化第一鉄に変化して発色します。(酸化クロムの還元で発色するものもあります。)現代では石灰バリウムに珪酸鉄を着色として入れ青を出しています。本来は厚がけの灰釉である。また青磁の色に深みを出しているのが大小様々な泡で釉中に残ったこの泡が光によって乱反射し柔らかな色調を生んでいる。                (伝統と産地のやきものを東京で学ぶ手つくりの陶芸作品のつくりかた)           

青磁には貫入がありこの貫入は窯の中から出してから表面に入ります。窯から出してしばらくは涼しげなガラスの割れる音が聞こえてきます。まるで器が生きているようで初めて聞くと感動です。この貫入に墨汁を入れる技法があり窯から出して墨汁に漬け黒い貫入となりその後に出来る貫入は白く見えます。これを二重貫入といいます。(師楽トップページはこちらから)

DSCF2336磁器は鉄分がなくこのように白くなめらかです。そのため磁器に掛けた青磁は釉薬のみで青磁の色を出します。

DSCF2768磁器は石を粉にして水を加えてねった物です。滑らかで気持ちよくひくことが出来ます。

DSCF2523釉薬は2~3mmと厚く掛けることで発色がよくなるがはがれやすくもなります。そのため薄く成形してから厚く掛けることが多いです。

DSCF2492貫入…釉と素地の部分が冷える時に縮み方が異なり貫入が入ります。窯から出すと貫入の入る音が聞こえてきます。

DSCF2184涼しげな色から夏の器として使われることが多くその形も薄くシャープな色と形の物が多い。

DSCF2275いろいろな青の中でも雨が過ぎ去った後の雲の切れ間から見える空の色「雨過天青雲破処(うかてんせいくもやぶれるところ)」という色を現代では求めている。

DSCF2480青磁の色は日光の光によって変化します。朝の光と夕方の光では青磁の色も変わります。釉の中にある泡と貫入にいよって光の見え方が変わり光が生み出す色でもあります。

DSCF3026青磁の造形はシャープな物が多くここではカッターで切り込みを入れてみました。                     (伝統と産地のやきものを東京で学ぶ手作り陶芸作品の作り方)