白化粧から御本手の器まで
白い器を作るには いくつかの技法があります。
その中の一つに白化粧があります。
陶器の生地が黒く絵付けなどに適さない時に 白い化粧土を掛けその上から釉薬を掛けることで 釉薬の発色がよくなります。また絵付けなども鮮やかに描くことが出来ます。
白化粧には いくつかの技法や呼び名があります。一般的には 粉引きと呼ぶことも多く 粉引きは高麗茶碗の一種で鉄分を多く含んだ素地に白く化粧掛けして 透明釉を掛けたもので 粉を吹いた 様子から粉吹き ・粉引きと その名がつきました。陶芸の中では 分類として白化粧に入り 産地としては唐津などで多く作られ 粉引唐津と言います。現代では多くの作家が作り 産地としては 存在しません。 白化粧と粉引きという呼び名は よく使われていますが どのように使い分けているかは 難しく 白化粧の中に 粉引きがあります。同じ物と考えて良い(その成分によって 呼び方が 変わる。) 手作り白化粧作品の作り方その技法講座 師楽
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古い時代には 純白の土が少なく 白い器を作り出すために 考えだされたのが 赤土に白化粧土をかける技法です。これによって味わいのある白い器を作り出すことが出来るようになりました。またこの白化粧土を使った技法は多く粉引き・刷毛目・象嵌・三島・掻き落とし・飛びカンナ・スリップウエア(墨流しのような物)・イッチンなど多くの技法がこの白化粧を使った技法となります。師楽では これから更にこれらに関するページも作ります。(師楽トップページはこちらから)
※鉄分の多い土を使う事で味わいが
始めに鉄分を多く含んだ土を 電動ろくろなどで 挽き 形を成形します。このとき 癖の在る土を使う事で味わいのある白化粧の器が出来ます。
始めに鉄分を多く含んだ土を 電動ろくろなどで 挽き 形を成形します。このとき 癖の在る土を使う事で味わいのある白化粧の器が出来ます。
※ 生の土に白化粧をかける
白化粧を掛けるタイミングは通常
削り終えた土にかけます。そのため高台は持ちやすく高めに作る事がポイントです。
白化粧を掛けるタイミングは通常
削り終えた土にかけます。そのため高台は持ちやすく高めに作る事がポイントです。
※ 白化粧掛けは大変難しい
生の土に掛けるため 掛けて放置していると崩れることが多く そのため 掛けてすぐに ドライヤーで乾かす。目安は全体を5分ほど乾かす。
生の土に掛けるため 掛けて放置していると崩れることが多く そのため 掛けてすぐに ドライヤーで乾かす。目安は全体を5分ほど乾かす。
※ 白化粧掛けは素焼き後にかけることも在る 形が壊れないために 素焼き後にかけることも多い このときは更に素焼きをして 化粧を定着させ その後 透明釉などをかける。
※ 御本手の皿 白化粧の中でも赤みが出る色 御本手とは安土桃山時代に 当時の茶人が朝鮮に注文した茶碗に 偶然赤い斑点が出ており その注文書「御本」からこの呼び名となる。
※ 白化粧は窯の場所や焼き方によって変わる 上のお茶碗は同じやり方で作ったものですが 焼き方によっって これほど変わります。焼き方で酸化と還元では大きく違い 更に焼き方を工夫することで御本手も現れます。
※ 御本手を出す焼き方のポイント
この窯は 還元状態で赤黄色く炎が見えるときは還元で青白く見えるときは酸化よりの還元です。御本手はピンポールやキズに酸素が触れて出ます。還元から最後に酸素を贈ることで出ます
この窯は 還元状態で赤黄色く炎が見えるときは還元で青白く見えるときは酸化よりの還元です。御本手はピンポールやキズに酸素が触れて出ます。還元から最後に酸素を贈ることで出ます
※白化粧は土物の味わいのある器です化粧掛けは あまり 綺麗に掛けようとは しないが良い また 指の跡などが出やすいので 持ち方を考え掛ける 持ち替えると跡が残ります。白化粧掛けは 繊細な物です。